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マイホームのコーナー (構造編 その3:いろいろな構造の比較)
住宅の建て方(構造)は、日本従来木造軸組構造以外にも様々なものがあります。
外見からはその構造が判断できない場合も多いですが、価格の違いはもとより様々なメリット・デメリットがあります。ここでは各構造の基礎知識と特徴を解説します。

従来木造軸組構造
古来からある日本式の構造で、もっとも広く使われています。柱や梁などの骨組みで全体を支える構造になっています。
他の構造に比べ安く作ることができますが、これは、材料費のコストが低いためです。しかし、2X4(ツーバイフォー)構造と比べて高度な技術を要するために大工手間賃は割高になっています。

2X4(ツーバイフォー)構造
アメリカで完成された木造構造で、その歴史は開拓時代まで遡ります。
当時、開拓地では大工などの専門家がいないため、誰でも簡単に作る方法として発展してきました。 この構造の大きな特徴は、従来木造軸組構造が骨組み(柱・梁)で支えるのに対し、2X4構造は面 (壁)で支えています。
材料や工法はすべて規格化されており、まるで巨大なプラモデルを作るような感じです。専門技術が必要でない分工賃は低くなりますが構造上、材料が多くなりますので結果 的に従来木造軸組構造より割高になります。

重量鉄骨造
従来木造軸組構造と同じ構造ですが柱や梁に鉄骨を使用します。
重くなる分しっかりとした基礎工事が必要になりますが耐久性があり耐用年数も長くなります。

鉄筋コンクリート造構造
構造体を鉄線入りのコンクリートで固めた非常に丈夫な構造で、ビルやマンションなどに広く使われています。
当然ながら高価になりますが、耐用年数を考慮すると割高感はあまりありません。

ログハウス
別荘地で見かける丸太を積み重ねた構造の建物です。
特殊なため単純に他の構造と価格比較はできませんが、構造体がそのまま外壁・内壁になるため壁仕上げ材が不要ですので、コストを抑えることができます。

プレハブ住宅
プレハブと聞くと工事現場にある薄緑色の小屋や仮設住宅を想像してしまい、夏暑く冬寒い、防音効果 が低いなど余りよいイメージはないですが、プレハブ(Prefabricated House)とは材質や構造体のことではなく工場でパーツ(壁や柱、床など)を作り現地で組み立てるシステムのことです。
プレハブは構造材の種類によりいくつかに分類されます。
1.木質系プレハブ
2.鉄鋼系プレハブ
3.コンクリート系プレハブ
などがあり多くのマンションや公団などで使われていて佐賀県下でも年間総建築数の約20%にも及びます。

各構造の比較 メリット デメリット 税法上耐用年数
従来木造軸組構造 コストが安い
湿気・通風・採光性が高い
間取りなどの自由度が高い
量産ができないのでコストダウンが難しい
防火性能が低い
税法上の耐用年数が短い
22年
2X4構造 面構造のため強度がある
気密性に優れ断熱効果が高い
規格材料のため量産が可能(将来的にコストダウン)
時間とやる気があれば自分でも作れる
価格が若干高い
窓や出入り口の開口部分に制約があり自由度が低い
22年
重量鉄骨造 耐久性・耐火性が高い
広い部屋や大きな窓などかなり自由にデザインできる
揺れや振動が伝わりやすい
遮音・気密性が低い
鉄骨3mm厚 19年
3mm〜4mm 27年
4mm以上 34年
鉄筋コンクリート造構造 抜群の耐久性・長い耐用年数
防火性能・断熱性能が高い
間取りが自由
湿気がなかなかとれない
工期が長い
価格が高い
大型機械を使用するため狭い場所では建設が困難
47年
ログハウス 何といっても自然な感じがいい
調湿性・断熱性に優れている
間取りの自由度が高い
自作も可能
窓の大きさや開口部に制約がある
音が響きやすい
まだまだマイナーな為、
請け負うところが限定される
 

各構造のコスト比較
注1(A)
注2(B)
税法上耐用年数
従来木造軸組構造
100
100.0
22年
2X4構造
105
105.0
22年
重量鉄骨造 4mm以上
120
77.6
34年
鉄筋コンクリート造構造
140
65.5
47年

注1(A)従来木造軸組構造の建築価格を100とした場合
注2(B)税法上耐用年数 から割り出したランニングコスト。従来木造軸組構造を100とする

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