建設サイトのコーナー(佐賀特有の地盤)




佐賀特有の地質の問題と言えば、佐賀平野が有明海に面した土地柄での軟弱地盤であることでしょう。
なぜ佐賀平野は軟弱地盤であるかというと、先ず第一に大昔は大半が海であったと言うことです。

佐賀市内で言うと 高木瀬町付近までは海で、熊本の阿蘇や長崎の雲仙などの火山灰 が積もり現在の地層が出来上がっているとの見解が大半です。根拠として高木瀬町以南では古墳が殆ど発掘されないと言 うことです。

第二は佐賀平野の北側には背振山脈があり、その地層構造も手伝って佐賀平野に湧水や雨水が流れ込み、よく言えば水に恵まれ 、悪くとれば浸水被害の原因となっています。
現在導水事業によって平地ダム(佐賀市金立町)の建設が行われ洪水調節によって浸水被害を食い止めようとしています。
川副地区や鹿島など有明干拓沿岸では海岸堤防下の軟泥の厚さは 平均15mから最高25m迄の深い層となっており、日本一干満の差が激しいと言われている有明海のため、その高低差は5m 以上にもなります。

ちなみに、この干満の差を利用して発電が出来ないか30年以上も前から取りざたされているそうです。
高潮や浸水対策が必要な堤防は県内で延長150kmにもなり、 地盤沈下とのイタチゴッコで、盛り土をすればその地盤が下がり、バランスをとるために、まず海岸側にコンクリートの重力式堤防壁を作ります。 しばらくすると全体的に地盤が下がり又その繰り返しを余儀 なくされるはめになります。特に問題なのは、そもそも干拓地が平均海面と標高が変わらず 最低地盤は−1.2mと低いことです。大潮の時は4m以上の 標高となり、海面よりも4mも低い土地となるわけです。




その結果六角川や嘉瀬川、筑後川などの有明海と続いている川は 満潮とともに逆流をし、そのまま放置すれば河口から20km もの上流まで著しい浸水被害にみまわれます。
そこで排水機場の登場ですが、佐賀県内に大小合わせて約140ヶ所もの排水機場があり、現在も新設が続いているそうです。

これらのことをまとめますと、元々地盤沈下が起きやすい軟弱地盤を埋め立てて、浸水しないように川の水をいつも汲み上 げている状態という訳です。
諫早湾の問題が取り上げられていますが、類似した点が多く決して他人事ではないと思われます。


 排水機場について


通常は水門を開いて川の水を本流へそのまま流していますが、満潮時などで本流が増水すると逆流を防ぐために水門を閉じてしまいます。
この時、支流から流れ込む水はポンプ場地下水路を通り、モーターで強制的に排出されます。
この様な施設は筑後川沿いだけで、20ヶ所以上あります。

排水機場の水門
県外ではあまり見かけないが・・・
水門の脇に併設されたポンプ場
手前のパイプが排水管。
 

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